手話講座レポート 2日目

【開催レポート】手話講座2日目:国際手話を学ぼう(7/16・7/30)

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渋谷区スポーツボランティアでは、ゲストをお招きしたトークや活動に役立つスキルを身につけるワークショップなど、さまざまなプログラムの「講座」を実施しています。
今回はデフリンピックに向け、「きこえない人とどのようにコミュニケーションをとれば良いかを考える」手話講座を行いました。
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開催概要
「手話講座」2日目:国際手話を学ぼう
日時:7月16日(水) 19時〜21時
7月30日(水) 19時〜21時
場所:渋谷区役所

デフリンピックへ向けた手話講座
2日目:国際手話を学ぼう
「はじめての手話&コミュニケーション術〜きこえない人と話すには?〜」をテーマに、デフリンピック本番に向けた手話講座として、全2回構成のプログラムを開催。
2日目となるこの日は、手話通訳士の橋本一郎先生に加え、国際手話講師の西脇将伍さんにもお越しいただき、手話はもちろん、「きこえない人とどのようにコミュニケーションをとれば良いか」について考えるプログラムを実施しました。

今回も、手話通訳として保科隼希さん、ゲストとして、ろうの大学生の皆さんにもご参加いただきました。
参加者は、前回と違う新たな4グループに分かれていただき、早速講座スタート!

◆ゲストの自己紹介
まずはじめに、ゲストの紹介!
講師の橋本先生、西脇さん、手話通訳の保科さん、そしてろうの大学生の皆さんに自己紹介をしていただきました。それぞれの「推しスポーツ」も教えていただき、会場は和やかな雰囲気に!

◆ウォーミングアップ
ウォーミングアップ1つ目は、「口の動きだけで伝えてみよう」!
参加者同士でペアになると、発音が似ている4つの言葉から1つを選び、相手に向かって声を出さずに口の動きだけで伝えます!
似ている音の言葉なので、口の形で全てを理解することはとても難しく、みなさんなかなかに苦戦されていました。
ウォーミングアップ2つ目は、「4つの選択肢の中から好きなものを1つ選んで相手に伝えよう」!
このウォーミングアップでは、果物や天気、スポーツがそれぞれ4つずつある中から好きなものを1つだけ選び、声を出さずに身振りや表情で相手に伝えていきます。
みなさんそれぞれ工夫をこらしながら、非言語でのやりとりに積極的に取り組む様子が見られました。
今回のウォーミングアップを通して、コミュニケーションの方法には、手話、身振り、口話・読話、音声認識アプリ、アイコンタクト、筆談など、さまざまな手段があることを実感!
その中から、その人にあった方法で伝えることが大切だと教えていただきました。

◆手話表現の復習
まずは、1日目の講座で覚えた日本手話の復習から。
大学生が参加者の前で手話を表現し、その手話がどんなことを表現いるのか、皆で読み取っていきます。自分で手話をするより、相手の手話を読み取る方が難しい、という声も多く聞かれました。
表情や指の動きに集中しながら、素早く理解する力が求められます。
そして、前回宿題となっていた国際手話の表現も復習。講師の西脇さんから「この言葉はなぜこの表現になるのか」といった成り立ちの説明も交えながら、丁寧に教えていただきました。

◆国際手話について・講師の紹介
続いては、国際手話講師の西脇さんから、「国際手話はどのように作られたのか」「西脇さんはどうやって国際手話を覚えていったのか」など、お話を交えながら教えていただきました。
国際手話は、英語では「International Sign」と呼ばれ、日本手話やアメリカ手話とは異なります。
語尾に「Language」が付かないのは、国際手話が厳密な言語ではなく、世界のろう者が即興的に使う共通のコミュニケーション手段だからだと教えていただきました!

◆国際手話の基本
ここからは、本格的に国際手話について学んでいきます。
まずは、「こんにちは」、「ありがとう」、「友だち」、「日本」など、基本の手話から教えていただきました。
国際手話は、様々な国の手話から成り立っているため、日本手話にところどころ似ている表現もありました。
続いて、1日目の講座で日本手話で習った9つの表現を、今度は国際手話で覚えていきます。
・応援している      ・楽しみにしている
・好き、今やっている   ・チャレンジしたい
・一番          ・スポーツ
・何・同じ        ・すごい
国際手話は、言語ではないということからも視覚的に理解しやすく、初めて触れる方でも「なんとなく意味がわかる」といった反応が見られました。

◆ボランティア現場で使える国際手話表現
基本の単語を国際手話で覚えた後、今度は数字などの「ボランティア現場で使える」単語も教わりました。
その後は、実際に国際手話を使って案内できるようになるため、参加者同士ペアになって、会場案内やレストランなど、その場に合った文章を表現し合いながら、覚えていきます。

◆デフリンピックをより楽しむために
デフリンピックをより楽しむために、私たちができること…それは、試合の応援に行くこと!
デフリンピックの認知度は少しずつ広まってきていますが、デフスポーツの競技会場の観客席はまだガラガラなのが現状。
だからこそ、私たち一人ひとりの「応援したい」という気持ちと、実際に会場に行くことが、選手たちの力になります。
応援のひとつの方法として、東京デフリンピックに向けて作られた「サインエール」を教えていただきました。
「サインエール」は、手話でエール(応援)を送る新しい応援スタイルです。声援が届きにくいデフアスリートに、手話を使って気持ちを届けることができます。
今回講師としてお越しいただいた西脇さんも、このサインエールの制作に携わったお一人ということで、今回詳しくご紹介いただきました。

「サインエール」については、YouTubeでも紹介されています。ぜひご覧ください。
・『サインエール』 ~デフアスリートに届ける新しい応援スタイル~
https://youtu.be/Xg2S-X65qgI?si=LtMeO3n4eYS55SUK

・『サインエール』に込められた、制作者の想い

 

つづいて橋本先生から、
「まずは推しの選手、推しの競技を見つけてほしい」とのメッセージが!
知ることが、応援の第一歩。
名前を覚える、競技を観る、応援する。
そんな“小さな関心”が、選手たちにとっては大きな力になります。
講師の橋本先生、西脇さん、手話通訳の保科さん、そしてろうの大学生の皆さんにも、それぞれの“推しの選手”を教えていただきました。
中には「同級生7人のうち、4人がデフアスリートなんです!」という理由で“推し”に選んだ方もいて、会場からはそんなエピソードに驚きの声があがる場面もありました。
自分が応援したい選手を見つけることで、デフリンピック観戦の楽しみがぐっと広がることを実感!
さらに、デフアスリートからもメッセージをいただき、みなさん一人ひとりの応援への思いが深まる貴重な時間となりました。

◆これだけは覚えよう!
手話講座終盤。
「これだけは覚えてほしい手話」と「覚えておくと便利な手話」を、改めて教えていただきました。復習も兼ねて、改めてみんなでおさらいです。
「これだけは覚えて欲しい手話」
・デフリンピック   ・頑張れ!
・ありがとう     ・東京
・お疲れ様
「覚えておくと便利な手話」
・I Love You.    ・始まる
・終わる    ・トイレ
・またね!

そして最後に橋本先生から、「聴く」という言葉についてお話がありました。この「聴く」という言葉は、よく見ると“耳+目+心”で成り立っていて、これは「ただ耳で音をきくだけでなく、目と心を使って注意深くきく」という意味を表しています。このお話を通して、日常生活やコミュニケーションにおいても、相手の言葉だけでなく表情や気持ちを読み取ることの大切さを改めて感じる時間となりました。


橋本一郎先生をはじめ、豪華な講師・ゲストのみなさんにご参加いただき、2日間にわたる手話講座は大好評のうちに終了しました。
今回のテーマは「きこえない人とどのようにコミュニケーションをとれば良いかを考える」。手話の基本を学びながら、その表現の奥深さや、手話に限らない多様なコミュニケーション方法にも触れることができ、参加者にとって充実した2日間となりました。

いよいよ2025年11月、日本初開催となる東京大会が開幕します。
この学びを、デフリンピック本番の場でも存分に活かしながら、デフアスリートの活躍をみんなで応援しましょう!

 

 

 

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