【開催レポート】手話講座1日目:日本手話を学ぼう(7/2・7/23)
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渋谷区スポーツボランティアでは、ゲストをお招きしたトークや活動に役立つスキルを身につけるワークショップなど、さまざまなプログラムの「講座」を実施しています。
今回はデフリンピックに向け、「きこえない人とどのようにコミュニケーションをとれば良いかを考える」手話講座を行いました。
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◆開催概要
「手話講座」1日目:日本手話を学ぼう
日時:7月2日(水) 19時〜21時
7月23日(水) 19時〜21時
場所:渋谷区役所
◆デフリンピックへ向けた手話講座
1日目:日本手話を学ぼう
昨年、オンラインで開催し、大人気だった手話講座。
今年は「はじめての手話&コミュニケーション術〜きこえない人と話すには?〜」をテーマに、デフリンピック本番に向けた手話講座として、全2回構成のプログラムを開催。
手話通訳士として多彩に活躍されている橋本一郎先生を講師にお迎えし、手話はもちろん、「きこえない人とどのようにコミュニケーションをとれば良いか」について考えるプログラムを実施しました。
講座の手話通訳として保科隼希さん、ゲストとして、ろうの大学生の皆さんにもご参加いただき、講座前から参加者のみなさんと交流していただきました。
今回は各回40名の定員でしたが、どちらの回も満席での開催!
参加者には、あらかじめ4つのグループに分かれていただき、講座がスタートしました!
◆ゲストの自己紹介
まずはじめに、ゲストの自己紹介!
橋本先生、手話通訳の保科さん、そしてろうの大学生の皆さんが登場し、自己紹介と「今行ってみたい国」についてお話いただきました。
参加者の緊張感も次第にほぐれ、笑顔あふれる自己紹介タイムとなりました。
◆ウォーミングアップ
ウォーミングアップ1つ目は、「ボランティアで覚えておきたい手話8個」!
・好き ・分かる
・できる ・覚える
・嫌い ・分からない
・できない ・忘れる
8つの手話を見て、真似しながら覚えていきます。
表情も交えて表現することで、相手により伝わりやすくなることを学びました。
ウォーミングアップ2つ目は、「見えないものを届けよう」!
このプログラムでは、実際には存在しないテニスボールやバレーボール、風船を想像しながら、体全体を使って、グループ内でパスをまわしていきます。声を出さないのが、このプログラムの共通ルール。言葉を使わずに相手にパスをまわしていくので、みなさんアイコンタクトで合図をしたり、工夫しながらパスをまわしていました。
動き、表情など、全身でのコミュニケーションの大切さを学ぶことができました。
◆デフリンピック・デフスポーツの特徴
デフリンピックではどのような競技が行われるのか、クイズを交えながら、その特徴を教えていただきました。
デフスポーツもルール自体は健聴者のスポーツと同じですが、音がきこえないため、スタートの合図や審判の笛の音がわかりません。
そのため、スタートの合図を光で知らせるスタートランプや、笛の代わりに旗や手などをあげるなど、視覚的に情報を保障する工夫がされています。
◆ボランティア同士の会話で使える手話表現
続いては、ボランティア同士の会話で使える手話表現を教えていただきました!
練習するのは、この9つの言葉。
・応援している ・楽しみにしている
・好き
・今やっている ・チャレンジしたい
・一番 ・スポーツ
・何、同じ ・すごい
橋本先生は、それぞれの手話がどのように生まれたのか、
その成り立ちや背景を、実演を交えて楽しくレクチャーしてくださいました。
その後は参加者同士でペアになり、単語を使って会話をする練習もしていきました。
◆デフアスリートの紹介
少し休憩を挟んでから、手話講座の後半がスタート!
するとここでなんと!
参加者に混ざって参加していた方が、実はデフアスリートだったというサプライズが!
突然のアナウンスにみなさん驚きながらも、会場は大盛り上がり!
7月2日は、
・岡田拓也選手(デフサッカー)
・瀧澤諒斗選手(デフサッカー)
・坂田翔悟選手(デフ陸上)
・丸山香織選手(デフバスケットボール)
7月23日は、
・山田真樹選手(デフ陸上)
・淺井啓太選手(デフハンドボール)
・矢ヶ部紋可選手(デフバドミントン)
・星野萌選手(デフテコンドー)
・丸山香織選手(デフバスケットボール)
にお越しいただきました。
素敵なサプライズの後は、選手たちが1人ずつ自己紹介!
選手たちの一番カッコイイ写真や、幼少頃の写真、競技を始めた時期、推しアスリートなどを紹介していただき、普段はなかなか聞くことのできない貴重なお話を伺うことができました。
◆ボランティア現場で使える手話表現
続いて、デフリンピック本番へ向けて、ボランティア現場で使える手話表現を教えていただきました!ボランティアさん活動中に質問されそうな言葉を中心に、9つをピックアップして練習します。
・バス ・駅
・競技会場 ・レストラン
・トイレ ・何時?
・どこ? ・どうやって?
・行く
それぞれの手話を練習した後、参加者同士でペアになってお互いに伝え合うワークをするなど、
動き回りながらコミュニケーションをとって、みんなで練習しました。
◆次回講座に向けて:国際手話の宿題
今回の講座は全2回の構成で、次回の講座テーマは「国際手話」。
そのため、次回に向けた予習として、先ほど日本手話で習った9つの手話表現を、今度は国際手話でどのように表現するのか教えていただきました。
・バス ・駅
・競技会場 ・レストラン
・トイレ ・何時?
・どこ? ・どうやって?
・行く
国際手話はいろいろな国の人にとってわかりやすい身振りや表現で作られており、
聴覚障がい者(ろう者)の世界的な交流の場である「世界ろう者会議」や、
ろう者の国際的スポーツ大会である「デフリンピック」で公用語として使われています。
国際手話は、日本手話とは違った表現方法ですが、みなさんとても熱心に学ばれていました。
次回の手話講座までに、これらの表現を覚えてくることが宿題となりました。
◆これだけは覚えてほしい!手話表現
最後に橋本先生から、「これだけは覚えてほしい」という5つの手話を教えていただきました。
・デフリンピック ・頑張れ!
・ありがとう ・東京
・お疲れ様
どれも、デフリンピックを応援したり、ボランティアとして活動するうえで、欠かせない表現ばかり。みなさん熱心に復習されていました。
今回たくさんの手話を教えていただきましたが、橋本先生からは「今日覚えきれなくても、何度も繰り返して覚えていけば良い」と温かい言葉をいただきました。繰り返し練習して身につけていくことの大切さを改めて教えていただきました。
橋本先生の温かい指導のもと、手話通訳やゲストのみなさんと共に、充実した内容で1日目の手話講座を終えました。
次回は、手話講座2日目!国際手話をテーマに学んでいきます。